アルコバッサ : 世界遺産♪『サンタマリア修道院』
2007年 02月 10日
このちょっと前に書いた『勝利のサンタマリア修道院』とはまたべつです。どこにいっても、“マリア”がつくところが多いので、日本史専攻の私としては、このあたりから「?????」の連続になっておりますけど^^;
初代ポルトガル国王がイスラム軍との戦勝の感謝と、ローマ法王に国王として認めてもらう為に1178年に建立したものです。
もっとも戒律が厳しいといわれるシトー派の特徴である、質素、簡易 がよく反映されているといわれてるそうです。
今まで見てきた、どの教会よりも、質素で厳粛な感じをうけました。
ここにはペドロ王と死んでから彼の妃としてなった王妃イネスの棺がおいてあります。
ペドロの正妻の侍女であったイネスと激しく愛しあうものの、イネスは陰謀により殺されてしまいました。
自分が王となったとき、イネスを正式な妃として認めさせるために、お墓から掘り起こした腐乱した彼女の屍を玉座に座らせ、自分の重臣達に彼女の手にキスをさせた忠誠を誓わせたといいます。
『ペドロとイネスの悲劇』で検索ででてきますので興味があったら読んでみてください。昼メロもびっくりなドロドロさ。そしてそれゆえ愛は深い!
そしてこの教会では、イネスとペドロの棺が向かいあって安置されていました。隣ではなく。
起き上がった時に、一番最初の相手の姿を見ることができるように・・・・。
2人の棺は、こんなにすばらしい装飾がされているのです。
ポルトガル彫刻の最高傑作とも言われているそうです。
イネスの棺の彫刻には、一番したに醜い妖怪みたいな動物みたいなもの達が棺を支えている・・というか押しつぶされているようなものがありました。
どうやら、それは、イネスを殺したもの達を彫刻させたようです。
ペドロの気性の激しさをすっごい感じます。でも気性は激しくても、王としての政治力は抜群だったようです。愛だけが叶わなかった・・。
クリスマス前だったせいか、このように、制作しているのか、修理しているのか・・な画家さんたちを教会内でたくさんみかけました。
修道院には18m(幅)の煙突がある厨房や、太りすぎをチェックする細い扉(通れなくなると断食になるらしい・・^^;)があったりして、厳粛なんだけど、親しみも感じてしまう、不思議な修道院でした。